ビジネスを成功させるためには、ホームページ(Webサイト)の存在は欠かせません。
ビジネス用ホームページ(ビジネスサイト)は、顧客とのコミュニケーションや情報発信の重要なツールです。
本記事では、知識ゼロの方でも理解できるように、ビジネス用のホームページ作成の基本を紹介します。
・名刺代わりのホームページを自分で作りたい人
事業・ビジネスをはじめて、集客や名刺がわりのサイトを作りたいけど、予算はそこまでかけれないといった方を対象に、 Webディレクター・WebデザイナーとしてたくさんのWebサイト作りに携わってきた経験を踏まえて、ポイントをまとめてみるので、よかったら参考にしてください。
目次
1.目的を明確にする
ホームページを作成する前に、自分のビジネス用ホームページ(Webサイト)の目的を明確にしましょう。
例えば、サイトで商品やサービスの販売をしたいのか、情報発信がメインになるのか、顧客からの問い合わせ・見積依頼をもらうことがゴールになるのか。
目的に応じて、ホームページのデザインやコンテンツの作り方が変わってきます。
例)
・商品の販売 → ECサイト
・情報発信 → メディアサイト、ブログ
・顧客からの問い合わせがゴール → コーポレートサイト、LP(ランディングページ)
また、同業他社のサイトをいくつかみて、参考にするサイトを見つけておくとサイトを作りやすいです。
2.CMSを選ぶ
CMS(コンテンツ管理システム)は、ホームページを作成し管理するためのツールです。
CMSを使わずにHTMLとCSSでホームページを作ることも可能ですが、満足いくサイトを作ろうとすると、学習コストが高くついてしまいます。
Web制作を学ぶのが目的ではない場合、短時間で完成度の高いサイトを作れるCMSを使うのが良いと思います。
知識ゼロの方におすすめなCMSは「WordPress(ワードプレス)」です。
WordPressは2023年時点で世界中のWebサイトの40%以上・CMSの60%以上で使われていて、多くのテンプレートやプラグインが利用できます。
(日本国内に限ると使われているCMSの80%以上のシェアがワードプレスです。)
使っている人が多く、情報も多く出まわっているので、困った時に調べやすいのも良い点です。
参考)
世界のCMSシェア Usage statistics of content management systems | W3Techs
日本のCMSシェア Distribution of content management systems among websites that use Japanese | W3Techs
ビジネス用ホームページ(コーポレートサイト・メディアサイト・ブログ)の場合は、基本的には「WordPress」で良いと思うのですが、どうしても使いづらい場合などは「Wix(ウィックス)」というノーコードツール(ドラッグ&ドロップでサイトがつくれるサービス)などを検討してみてください。
また、ECサイト(通信販売サイト・ネットショップ)を作りたい場合は「BASE 」、「カラーミーショップ 」、「Shopify」、「EC-CUBE」などのECサイト専用のCMSが良いです。
3.テンプレートの選択
テンプレートは、ホームページのデザインを決める基本的な枠組みです。
CMSでWordPressを使うことを決めた場合は、WordPressテーマと呼ばれるテンプレートを使用します。
多くの無料・有料のテンプレート(WPテーマ)があるので、自分のビジネスに合ったデザインを選びましょう。
シンプルで使いやすいデザインがおすすめです。
無料でも使えるビジネス用ホームページ向けのWPテーマ
・Lightning
・Business Press
・Cocoon
・Xeory Extension
公式WordPressテーマ
https://ja.wordpress.org/themes/
テンプレートを自作したり、デフォルトのテンプレートをカスタマイズすることも可能なのですが、専門の知識(PHPやHTML、CSS等のプログラミング知識など)が必要になるので、ネットでテンプレートを探すのがコスパ良いと思います。
また、英語が得意な方以外は、日本語対応しているものがやはり使いやすいです。(英語のテンプレートの方がデザインがオシャレなもの多いのですが、説明サイトやダッシュボードの表示なども英語だったりすると、結局使いこなせないことがあるので。)
レスポンシブデザインの採用
現代のホームページは、PCだけでなくスマートフォンやタブレットなどの様々なデバイスで閲覧されることが多いため、レスポンシブデザインのテンプレートを採用しましょう。
レスポンシブデザインとは、レイアウトを画面サイズに応じて自動的に最適化できるWebデザインのことで、ユーザー体験(ユーザーエクスペリエンス・UX)が向上します。
ナビゲーションの設計
ホームページのナビゲーションは、訪問者が簡単に目的の情報にアクセスできるようにするために重要です。
メニューバーを使って、トップページや各ページへのリンクを配置しましょう。
分かりやすく直感的なナビゲーションを心掛けます。
テンプレートにナビゲーションが用意されていると思うので、基本はそちらを使用しましょう。
また、主要なページへのリンクはヘッダーやフッターのナビ以外にもボタンとして設置すると、効果が高いです。
4.ドメインとサーバーの取得
ホームページを公開するためには、ドメイン(例: yourbusiness.com)とサーバーの利用(ホスティング)が必要です。
ドメインは、インターネット上での名前やアドレス(住所)のようなものです。
サーバーは、ホームページのデータやファイルを保存するための場所です。
サーバー(ホスティングサービス)
WordPressを使う場合、月額500円〜1000円くらいで使えるレンタルサーバーを使うのが良いと思います。
「さくらインターネット
」や「ロリポップ!
」、「エックスサーバー
」、「ConoHa WING
」などが有名なレンタルサーバーです。
WordPressを簡単に導入できるしくみがほとんどのレンタルサーバーで用意されています。
ドメイン
ドメインもレンタルサーバーのサービス内で扱っているので、一緒に取得して設定するのが簡単です。
無料で使える共用ドメインと、独自ドメインがありますが、ビジネスサイトでは独自ドメインを取得した方が良いです。
共用ドメインだとなんとなく怪しくみえてしまうので(汗)
「.com」か「.jp」あたりで希望の名前がとれれば問題ないです。
メール管理
また、ビジネスをするのに必要な独自ドメインのメールアドレスもレンタルサーバーで取得管理できます。
独自ドメイン取得と同時に設定するのをおすすめします。
※WixやBASE などのサービスを利用する場合は、サービスに全てふくまれているので、レンタルサーバーを契約する必要はありません。
クラウドってどうなの?
ホスティングサービスを検討する時に、AWS(Amazon Web Services)などのクラウドも選択肢に入ってくるかもしれません。レンタルサーバーもAWSなどのクラウドも、どちらも同じようなことができるのですが、どちらを選ぶかは、利用目的や予算、専門的な知識を使えるかによります。
結論から言うと、初心者はレンタルサーバーが良いと思います。
簡単な操作で使えて、コスパも良いからです。
レンタルサーバーにデメリットがあるとしたら、物理サーバーを複数のユーザーで共有するので、パフォーマンスに制約が出る可能性がある点です。
クラウドサービス(Iaas)の場合は、独立した仮想サーバーを使えるため、レンタルサーバーのデメリット部分をカバーできますが、その設定をするための専門的な知識などが必要になります。
クラウドサービス(Iaas)は、一般的には大規模なプロジェクトや、高度な使い方をする場合に向いているので、名刺代わりのホームページであればレンタルサーバーで問題ありません。
実際にWeb制作会社で働いていた時も、クラウドサービス(Iaas)を使っているのは自社でサーバーのインフラ設計や管理・運用できるエンジニアがいる場合のみで、ほとんどの会社がレンタルサーバーを使っていました。
5.コンテンツの作成
ここまでWebサイトの外側(枠、入れ物)部分について解説してきました。
次は中身(コンテンツ)です。
ホームページのコンテンツは、ビジネスの情報や提供する商品やサービスに関する情報を記載します。
自社の特徴やメリットを強調し、顧客に魅力的な内容を発信しましょう。
文字情報がメインになると思いますが、補足の写真やイラストなどビジュアルで伝わるものも用意できると良いです。
以下は、主要なコンテンツの作成ポイントです。
トップページ
ビジネスの概要や特徴を簡潔に説明しましょう。
顧客がすぐに情報を得られるように、分かりやすいレイアウトを心掛けましょう。
ファーストビューと呼ばれる「最初に画面を開いたときに目に入る領域」が重要になります。
基本的にはキービジュアル(アイキャッチ、メインビジュアル)となる画像や動画と、キャッチコピー、問い合わせボタン(問い合わせフォームへのリンク)とナビゲーションがわかりやすく配置できると良いです。
また、最新情報などの定期的に更新できる情報もあると良いです。
トップページを見て、読み手に興味を持ってもらい、さらに詳しく知りたいと思って他のページも見てもらって、問い合わせフォームに入力してもらう流れが作れるのが理想です。
製品やサービスのページ
提供する商品やサービスについて詳細な説明を記載しましょう。
特長やメリット、強み、価格、利用方法などをわかりやすく伝えることが重要です。
商品やサービスの写真や動画を追加するとさらに効果的です。
会社情報やプロフィール
自社の背景や歴史、ビジョン、ミッションなどの情報を提供しましょう。
信頼性や親近感を感じてもらうために、主要メンバーのプロフィールやコメントを掲載することもおすすめです。
よくある質問(Q&A、FAQ)
もし可能であれば、よくある質問のページも作れると良いです。
あなたのホームページを見る人が疑問に思いそうなことや、実際にビジネスをしててよく聞かれることってあると思います。
それをQ&A形式でまとめるだけで立派なコンテンツになります。
お問い合わせページ
顧客が簡単に連絡できる手段を設けましょう。
問い合わせフォームや連絡先情報を明記し、問い合わせには迅速かつ丁寧な対応を心掛けましょう。
問い合わせフォームは、WordPressの場合プラグインを使うと簡単に作れます。
本来はPHPなどのプログラミングが必要になるのですが、プラグインであれば簡単な設定だけでメールフォームが作れます。(自動返信や確認画面の表示、データベース化などができるものもあります。)
WordPressでよく使うプラグイン part3
画像の作り方
ホームページのコンテンツにとって、画像も重要な素材の一つです。各ページやコンテンツのイメージにあった写真やイラストなどを用意しましょう。
自分で撮った写真や、カメラマンに写真を撮ってもらって画像を用意できるのがベストですが、それが難しい場合は、フリー素材(ロイヤリティーフリー・商用利用OKのもの)の写真・イラスト・アイコン・動画などを活用しましょう。
ネットで「フリー素材」で検索すると無料・有料の素材がたくさん見つかると思います。
また、写真をそのまま使うよりも、画像編集アプリ(Adobe ExpressやCanva Pro [無料版もあり]など)を使って、よりサイトに適した画像へ編集もできると良いです。
6.SEO対策の実施
ここからのパートは、テクニックやコツに当たる部分になります。
ホームページを作って公開しても、なかなか発信した情報を見つけてもらえません。
広告をかけて宣伝したり、ホームページアドレスの入ったチラシやカードをばら撒くのも一つの手なのですが、最低限のSEO対策の知識はつけておいて損はありません。
検索エンジン最適化(SEO)は、GoogleやYahoo!などの検索から、自分のホームページを見つけてもらうために重要です。
適切なキーワードの使用、メタタグの設定、正しいページ構造の作成など、SEO対策の実施をすることで、検索上位へ表示される可能性が高まります。
キーワードの選定
自分のビジネスや提供する商品・サービスに関連するキーワードを特定しましょう。人々が検索エンジンで入力する可能性のあるフレーズを把握し、それらのキーワードをコンテンツ内に自然に組み込みます。
例えば、飲食店のサイトだとしたら、「地名」、「ジャンル」、「メニュー名」などがキーワードになります。
もう少し具体的にするとこんな感じです。
例)
・地名 → 東京都、渋谷区、渋谷駅、宮益坂
・ジャンル → カフェ、イタリアン、ダイニングバー
・メニュー名 → ピザ、マルゲリータ、パスタ、ミートソース、コーヒー、カフェラテ、ビール
メタタグの最適化
ページのメタタグ(タイトルタグやメタディスクリプション)は、検索エンジンにページの内容を理解させるための重要な要素です。各ページごとに適切なキーワードを使ったメタタグを作成しましょう。
WordPressの場合プラグインを使うとメタタグの設定が簡単にできます。
All in One SEO というプラグインが定番です。
内部リンクの作成
ホームページ内での内部リンクを作成することで、検索エンジンがサイト内のページをクロールしやすくなります。関連性のあるページ同士をリンクさせ、ユーザーが情報を探しやすくすることが重要です。
コンテンツの質と量
検索エンジンは高品質なコンテンツを好みます。情報価値の高いコンテンツを提供し、読者の問題を解決する役立つ情報を提供しましょう。また、コンテンツの量も重要ですが、質を優先することを忘れずに。
質の高いコンテンツとは
・ユーザーが求めている情報
・信頼できるオリジナリティのある内容
・読みやすく、内容が充実している
サイトの速度とパフォーマンス
ページの読み込み速度は検索エンジンのランキングにも影響を与えます。画像の最適化、キャッシュの設定、不要なプラグインの削除など、サイトの速度とパフォーマンスを最適化する努力を行いましょう。
無料で使えるWebツールが色々あるので活用しましょう。
・画像圧縮ツール(PNG/JPEG/WebP) tinypng
・ウェブページ表示速度測定ツール PageSpeed Insights
自分のサイトの状態を知っておこう
作ったウェブサイトが実際にどんな検索ワードでみられているのか、どれくらいの人が実際にサイトを訪れているか知りたくないですか?
それがわかるツールを、Googleが無償で提供してくれているので、設定して使えるようにしておきましょう。
SEO対策をするのに必需品になってきます。
例えると、ダイエットをするときに体重計が必要なのと同じで、検索エンジン最適化をする時に、サイトの状態を把握するために必要になります。
下記の2つのツールです。
・サーチコンソール → 検索に関する測定
・アナリティクス → アクセスに関する測定
また、これらのGoogle公式ツールをWordPressの管理画面上で確認できるプラグインもGoogle公式からでているので、設定ができたらこちらも入れて連携しておくと良いです。
Google公式プラグイン
・Site Kit by Google
以上が、知識ゼロの方でも理解できる基本的なビジネス用ホームページ作成の手順です。
ビジネスサイトは、ビジネスの成功にとって重要な役割を果たしますので、丁寧に作り上げることをおすすめします。
ここまで読んで、自分で全部作るのは難しいなと感じた方もいると思います。
そういった場合は、サイトを作れる人に適正価格で依頼するのが良いと思います。
知り合いにいたら相談してみるのが良いですが、周りにサイト制作できる人がいなければ、CrowdWorks(クラウドワークス)などのクラウドソーシングサイトで探せますよ。
So, what do you think ?